第1回異世界アニメ王決定戦 (2023)

本記事は2023年の12月から2024年の2月に渡って行われた異世界アニメ王決定戦についての報告である。

異世界アニメ王決定戦。

皆さんは「異世界アニメ」と聞くと何を思い浮かべ、どのような印象を持つだろうか?

近年は特に「小説家になろう」発の異世界転生もののアニメに端を発するブームが続いており、気づけば私の知らないうちに市民権を得て一大ジャンルへと成長を遂げている。しかし一方で、なろう発の異世界転生アニメも初めはそう順風満帆ではなかった。

その中でも一般に広く認知されている作品といえば異世界はスマートフォンとともに。(イセスマ)」が挙げられるだろう。特に異世界アニメに対して批判的な層の一部には、この作品を象徴的なものとして捉える潮流もあるかもしれない。個人的な見解を述べれば、「イセスマ」はアニメ3話のアニオリのセリフ "まるで将棋だな" を槍玉に上げられて作品の本質を見ないまま批判された不遇な作品という印象があり、まあ別にそんなにつまんなくなかったと思っている。キャラもまあまあ立ってたし。

異世界はスマートフォンとともに(旧異世界アニメ四天王が1人)。
アニメ第3話「将棋盤、そして地下遺跡。」の名セリフ "まるで将棋だな" がネタにされ、
それが高橋ナツコの改悪であるという擁護が良くなされているが、
アニメ11話「ぱんつ、そして空中庭園。」についてはあまり擁護のしようがなかった。

その他にも百錬の覇王と聖約の戦乙女(ヴァルキュリア)」など質の低さから話題になった作品もあるが、その後かつてのような批判一辺倒の風潮は落ち着きを見せ、異世界アニメは多様な作品群を生み出しながら、現在では多くの視聴者に受け入れられる主要なジャンルの一つへと成長したと言えるだろう。

百錬の覇王と聖約の戦乙女 (旧異世界アニメ四天王が1人)。
OPの作画崩壊、6話Aパートのありえない下劣さ、11話のやせこけた渋谷凛が低すぎる崖に向かって盛大に転がるシーン、12話の全てを放り投げた構成等で当時の視聴者を驚かせた。
本作品にメインキャラで参加していた某声優が二つ名に "ヴァルキュリア" の名を冠してMリーグなどで活躍しているが、その真偽の程は定かでもなければ誰も話題にしてすらいない。

しかしながら、現在の異世界アニメの中には、かつての「イセスマ」と比較しても必ずしも質が高いとは言えない作品が散見され、それらが一部で過剰な評価を受けているように感じられる。この状況を見て、偉大な先駆者たる「イセスマ」の汚名を雪ぎたいと思うのは極めて自然な流れではないだろうか?

本決定戦では、「イセスマ」に代わる真の異世界アニメ王を決定するとともに、その過程で現在異世界アニメに必要とされている要素やその変化について紐解いていく。また本報告を通じて、皆様にも現代の異世界アニメの在り方について考えるきっかけを提供できれば幸いである。

 

真の異世界アニメ王を決定する戦いが、いま幕を開ける—―

 

定義

今回の「異世界アニメ」の定義だが、いわゆる「異世界転生もの」と呼ばれるような異世界転生を含むもの、またはほぼそれに準じているMMO型オンラインゲームものを扱った。

概要

まず初めに真の異世界アニメ王を決めんとする気概に溢れた審査員が集まり、ノミネートを実施した。その後、その中で面白いと判断されたものを省き、以下の8作品の候補が残った。これに敗者復活の1作品を加え、合計9作品を視聴する。

まず選考を勝ち残った8作品については毎週ルーレットで視聴する作品を決定し審査員で揃って一気に視聴した (一部2クール作品があったので、それは3連休に合わせて視聴した)。

悪魔のルーレット。

視聴後には審査員の間で感想戦を実施した。感想戦は一時間以上に渡ることもあり、見識を深める良い機会となった。最後にその作品の感想文を提出することで、その週の決定戦は終了。選考対象作品の視聴は、8作品を1作品ずつ、計8週に亘って行われた。これに加え、敗者復活戦に関連する活動(エントリーに伴う選考期間に自己研鑽1週、敗者復活戦1週)を含め、合計で10週を費やした。敗者復活作品については2007年M-1グランプリサンドウィッチマンの奇跡と同じことが起こることを期待して籤とは別に最後に視聴することと相成ったものである。敗者復活エントリー中の週に謎の自己研鑽と称した視聴会合が行われたのはどう見ても余計だったが、今回は感想も併せて後述する。

この10週を追えた後、全ての感想文を提出した審査員には決定戦投票のフォームが与えられて、各投票者が複数の候補に順位をつけその順位に応じて得点を与えて集計するボルダ方式の投票によって王を決定することにした。

 

選考基準

議論を深めていく上で審査員の間でもアニメのどのような要素を評価するかといったことが大きく異なることが判明したため、一応自分の判断基準について記載しておく。

 

・世界観における網羅性

よく「広げた風呂敷の畳み方」というものの重要性について議論されるが、個人的に創作物を評価するに際して重要視しているのは、その風呂敷の広げた範囲内において描写されるべきことが描写されているか(ストーリーの進行ややりたいことの描写に終始せずやるべきことをやっているか)ということである。今回のアニメに即して言うと、物語のスコープが適切でその範囲内においての描写量が適当か?みたいな感じだろうか。特に今回はアニメであることから物語の完結性を評価するのは難しいと思うため、12話というスピードでその世界において起こるべき・描写されるべきことがきちんと描かれているかを強く評価したい。

 

社会福祉の観点

本決定戦の議論を通じて、審査員の間で共有された興味深い視点の一つに、近年の異世界アニメが、必ずしも若年層だけでなく、むしろ社会で疲弊した労働者層に対して一種の癒やしや安定感を提供しているのではないか、という仮説が浮上した。異世界アニメといえば幼稚で稚拙な表現やストーリー展開が特徴で、どちらかというと子供向けな印象(下品なのでそれほど子供でもないんだが)で馬鹿にされていた風潮があったように感じる。しかしこれらの異世界アニメに見られる、予定調和的とも言える安定したストーリー展開は、日々のストレスに晒される現代人にとって一種の精神的なセーフティネットとして機能し、結果的に日本を支える社会福祉コンテンツへと進化を遂げているのではないか。そのため本決定戦においては、の作品がこの廃れ行く日本の産業を支える中年労働者及び産業そのものに与える影響についても主要な評価軸に加えることとしていく。

 

共感性羞恥(誤用)

情けない話で大変恐縮だが、私は共感性羞恥(誤用)に弱いため共感性羞恥(誤用)を感じるほど評価は高くなる。

 

・その他

その他つまらない・不快などのマイナス要素は元来の異世界アニメの評価軸として存在していたものであることからもちろん高評価となる。

 

感想

決定戦結果とは別に、先に個人的な感想から記載する。

基本的に決定戦の際に作成した感想文を元に記載したため、決定戦後半に視聴した作品ほど雑になっている可能性が高いがご容赦いただきたい。

 

9位:月が導く異世界道中

色々あって勇者として異世界に召喚された主人公(真)の物語。本作品の独自性としてまず挙げられるのは、主人公・真の容姿が異世界の美的基準では著しく劣ると設定されている点であろう。その結果として真は異世界でヒューマンや魔族とではなく、第三勢力とも言える亜人たちと関わりあってストーリーが進行していくこととなる。

本作では、所謂異世界アニメの特徴と言われる手法が贅沢に用いられている。
シリアスなシーンとギャグシーンを融合させることによる必要のない冗長さ、妙に達観した主人公によるやれやれだぜ的なツッコミ、そして説得力に乏しいまま形成されるハーレムといった要素は、「ツキミチ」に限らず、多くの異世界アニメで散見される特徴と言えるかもしれない。一応フォローしておくと、こういう作風が悪いと断じている訳では無い。むしろ、異世界アニメ、もっと言えばなろう小説に求められているのは徹底した安心感であるため、対象層によく戦略的にターゲティングがなされていると言える。シリアスパートが長く続くと安心できないし、自分の評価基準が正しいと誰かに背中を押して欲しいし、取り柄を見つけられない自分にも肯定感を持ちたい。そういう人たちに寄り添うのが異世界アニメである。しかし、そのような姿勢は時にアニメーションという作品から何かを得ようとしたい層や、自分に都合の良い単一の面白さしか評価せず異世界アニメを表層でしか見れない層の批判の的となってしまう。

「ツキミチ」にはそういった異世界アニメの典型手法が他の作品より多く用いられている印象を受けた。そのため、私はリアルタイムで見ることは出来ていないのだが、恐らく同じクールで流れるアニメ達と比較すると余りにも欠点の多いアニメに見えてしまうし、そう思って低く評価する視聴者がいても責めることは出来ないと思う。しかし今回の決定戦、そういった異世界アニメ特有の設定が暴走して不快感を持つようになったアニメたちとの比較をすると、それぞれの設定を上手く料理できている良作であるように感じた、というのが私の所感である。「リアデイル」のケーナさんの方が高圧的だったし、「イセガル」の真人の方が性欲が強く的外れな常識を振りかざしていたというのは明らかなのでは無いか。そして個人的には今回の作品の中で現時点では最も12話の構成がしっかりしていたしヒロインたちの魅力もあったのではないかと思っている。
まず先述した通り、巴や澪というヒロインの魅力とそれに伴う安定感はツキミチの特徴であると言っていい。共に分かりやすいキャラでこそあるが、時代劇の要素であるとかよくあるキャラの中にもオリジナリティがあって見やすかったと感じた。またシリアスとギャグをやたら行き来する異世界アニメ特有のノリも、全く興味のないシリアス要素よりも巴と澪の掛け合いの方が個人的に面白かったので、そういう観点からもヒロイン2人はこの作品における存在感を放っていたと思う。
突っ込まれるべき所は巴と澪の2人が真にここまで付き従うことに説得力が無いことで、そこがこの作品が抱えている一番の欠点だと思う。個人的には、強い生物がそんなに強くなさそうな生物に従うためには、それこそ「小林さんちのメイドラゴン」みたいな描写が必要であると思う次第である。しかしその描写のためには澪や巴の過去編みたいなことをやる必要があるが、制作者側(あるいは原作者)がその点を深く掘り下げる意図を持っていないように見受けられるのも確かだ。本文の最初に書いたあらすじで割愛した真が異世界転生した理由についても、普通の作品なら謎めいていておかしくないものだが「ツキミチ」では掘り下げられそうな設定からもう掘り下げなくても良さそうな事由が提示されてそのまま話が進行していく。これらの設定は、向き合ってある程度の納得感のある結論やストーリーを出すと100点の作品を仕上げることが出来るかもしれないが、これまでのノミネート作品に顕著なように提示するだけ提示して全てを放棄するのは駄作を生み出してしまう。その点、もうやりたくない事はやりなくないと示して話を進めていくのは潔いし一定の評価をせざるを得ないと思う。

他方で視聴会合では酷評されていた8話「亜空ランキング」であるが、私はその取り組みを高く評価したいと感じている。近年のWeb漫画やなろう小説、少し違う領域だとshort動画文化に現れている、若者の“結論を急ぐ” 風潮と作品との融合には問題意識を持っておく必要があると思っている。代表例で言うと「SPY×FAMILY」のような、物語の潤滑な進行に必要のない一切の描写を捨象する作品を持て囃すことには疑問を覚えている。もちろん作品が面白ければ評価されるべきであるし、web漫画やなろう小説が一度読者の興味を失わせたら終わりのシビアな世界で戦っていることには一定の理解を示す必要があるのだが、作品が軌道に乗った際にはその物語の世界で起きていることをもっと描写して欲しいと思っている。その観点から見ると、「亜空ランキング」の回は「ツキミチ」の世界で起きている可能性のある事象に目を向け、独自性のある描写をしており、物語に奥行きをもたらしていると思っている。内容が面白いかとかとっ散らかっているとかの問題はあるが、12話で構成をする際にこのような本筋とは関係の無い話を入れる必要がある という制作陣のバランス感覚が垣間見え、それに感服した次第であったため敢えてここに記載したい。

ということで総評すると、10話くらいは本当にとっ散らかっていたが、12話にまとめようとしてとっ散らかるアニメや引き伸ばしで冗長になるアニメなんてごまんとあるからその後12話に収束させたことを褒めたい。以上、「ツキミチ」は (社会福祉系) 異世界アニメたるものこう作れ、という非常に啓蒙的な作品であった。個人的には今回のノミネート作品で一番面白かったと思う。

ちなみに以上の感想は下記の画像に示すようなその時作成していた感想文を元にしているのだが、

筆が乗って「2期についても注視していきたい」と書いてしまったため現在視聴しているツキミチ2期では、魅力のない知らん奴らが延々と興味ないことをしていると評される地獄のような絵面が放映されている。第2回異世界アニメ王決定戦でも、ツキミチに会うことになる可能性は非常に高いであろう。

 

8位:聖女の魔力は万能です

社畜だった主人公セイが聖女召喚の儀で手違いで二人同時に召喚されてしまい、王子がもう一方の女性に執心したためセイは実質的に放置される形となる(作中でそのことが深刻に描かれているわけではない)が、セイこそが本物の聖女であることが徐々に明らかになる過程で、視聴者にカタルシスを与えることを意図した構成と見受けられるアニメ。
序盤は流れでイケメン (?) が沢山出てきてイケメンパラダイスが開園されるが、いずれのキャラも特に魅力的でなくやり取りにも全く惹かれるものはない。というかイケメンに限らず任意のやり取りにおいてこちらを楽しませようという気概は伝わってこない。
特に1-3話までは毎話セイさんの作ったポーションやらの制作物が褒められて嬉しそうにすることに感動を求められる感動ハラスメントが横行しており、この単調さや押し付けがましさによって3話までは王の風格を纏っていた。
しかし4話以降は聖女として二人が召喚されたというストーリーに向き合いたいという姿勢が伝わってくる作りになっており、やりたいことが伝わってくるという点において異世界アニメ王の風格は感じなかった(なお、6話になっても聖女かどうかみたいな話を非常にシリアスなトーンで描いているが視聴者はもう興味ないと思う)。
視聴会合で本作の評価を決定づけたのは、7話と9話における王子の描写で、彼が現実を認めつつもアイラを守ろうと葛藤する姿は、物語に必要な要素を丁寧に描こうとする姿勢を感じて良かった。実はこの部分は原作にはないアニメオリジナル要素であるということで、異世界アニメ制作側にも意欲があることを感じさせる点においても評価を下げる要因となった。
最後まで一切笑える箇所も感動できる箇所もなかったし、2期を見たいとは一切思えなかったが、本作が主に女性視聴者を対象としており筆者自身がターゲット層と異なるため作品の魅力を十全に評価できていないであろう点、そしてアニメ制作陣が奮闘している様子が垣間見えた点が、総合的に勘案されこの順位となった。


(参考:異世界チート魔術師

異世界アニメ四天王の1つで通称「イセチマ」。
改めて今見ると王道を王道としてきちんと描けている印象を受け、異世界アニメ黎明期のレベルの高さを思い知らされて、一応この決定戦に参加していたらこのあたりの順位という感じだった。
特に評価できる点として、主人公の太一だけでなくヒロインの凛が共に転生してきているという設定によって、主人公とヒロインとのやり取りが発生して話に比較的魅力が産まれている点があると思う。
他方で話を進めたすぎて、序盤に出たレミーアとかミューラとかが掘り下げられることもなく後半は舞台装置になってたのが残念だった。結構魅力的なキャラにできたと思うんだけどな。その他にも異様な数のネームドキャラが出てきて掘り下げられないまま進行していくのだが、これは2020年代異世界アニメのメインストリームになっているわけで、この頃からその兆候があったんだなと学びになった。
物語の構成として、「イセチマ」は「主人公は最強だが万能ではない」という立ち位置によって物語に緊張感を生み出しつつもも全体的に安心感はあるという作りになっていた。最近は特に安心感をウリにした異世界アニメが多いわけだが、安心感というのは徹頭徹尾安心できることが重要なんじゃなくて緊張感の先に頼みの綱として安心感があることが重要なのだと再認識させられた。他の異世界アニメは反省してほしい。
有名なツインヘッドドラゴンやカシムとの戦いなど、無理やり見どころを作ろうとした結果支離滅裂になっている所も多々あるが、逆にそういう局所的に大きな粗がある作品が当時は目立っていただけで全体的な構成はそんなに悪くない気もする。

ところで太一が異様にチートという単語を連呼して強調するが、何がチートなのかよくわからなかった。原作でもそうなのか調べてみたが全然言ってなさそうだったので、当時は異世界アニメがガキ向けに作られようとしていたことの証左ということなのであろう。


7位:リアデイルの大地にて

寝たきり生活だった主人公のケーナさんが生前やり込んでいたオンラインゲームに転生して (転生についてはまだ謎が残されている) 無双する話。転生先ではオンラインゲーム時代に主人公がキャラクリしたキャラたちがそれぞれ成功者として名を挙げており、序盤はその三兄弟との掛け合いが主なコンテンツとなっている。
三兄弟は紋切型のテンプレキャラではあるが誇張して描かれており、その行動にケーナさんが大げさにツッコミを入れることで視聴者がカタルシスを得るような作りになっているが、ツッコミではなく瞬間沸騰してキレているだけでユーモアはない。その他にもケーナさんはおばさんと言われて沸騰、嬢ちゃんと言われても沸騰とあまりにも沸点が低く、途中からはケーナさんがからかわれたり年齢を弄られたりする度に、ケーナさんは怒るのか?怒らないか?という観点から楽しむ方が出来る。一応ケーナさんがキレているのが異常だという描写も稀にだが存在し、その辺りにはユーモアを感じる。
ところでオンラインゲームに転生している理由は謎と書いたが、他にも転生(?)しているプレイヤーがいてその辺の謎が薄く存在しているにもかかわらず8話付近でそのことが明らかになった後もケーナさんが興味を示さず、10話で子供を養子にして11話で引っ越し、12話で家を建てるという豪快な時間の使い方で器の大きさを示した。あのころ「百錬」の最終話で物語の本筋と関係ない花見とショッピングに多くの尺が割かれたことが一部で話題となったが、本作の10話以降の展開はそれをも凌駕する大胆な時間配分であり、近年の異世界アニメの格の違いを改めて確認できた気がする。
その他面白かった点として、頻繁に宴会が開かれてケーナさんが二日酔いになることがこのアニメの面白いコンテンツとして描写されており、時には飲み会でED入りして1週間待たせてOP後に二日酔いという大胆な手法も取られていた。飲み会がカタルシスになるのはくたびれた労働者が視聴層のメインだからだろうか。
悪い点としてはケーナさんが自分が正しいという一貫したスタンスの下に常に上から目線で説法を行っており、特に6話の現実とリアルがうんたらみたいな説法に代表される謎理論がまかり通っているので不快に感じる人もいるかもしれないことだろうか。
総評として、序盤は絶対値が大きい系のアニメかと思っていたが、徐々に見どころがなくなり無味無臭のアニメとなっていた。個人的には頻繁な飲み会の描写など裏笑いにしろ笑いどころもあり、また10-12話の本筋を無視した大胆な構成も新たなことに挑戦した意欲作として評価を下げざるを得ないと感じこの順位とした。

 

6位:聖者無双

(決定戦感想にふざけてエッセイみたいなの書いていたので書き直そうとしたけど、特に書き直す気力もなかったので他の感想より短くなってしまいました、すみません)

社会福祉異世界アニメの到達点。
本作は現実で凶弾に斃れたサラリーマンが転生し活躍する物語である。ストーリーやギャグは陳腐であるが、その細部には労働者を元気づけるための仕掛けが幾度となく仕掛けられている。特にルシエルは異世界で成り上がるために誰も選択しないスパルタな特訓コースを選択したり、強面のおっさんに師事したりといった描写に代表される「成長のためには苦労を買って出ろ」という主張が12話を通して一貫しており、本作品のテーマだったことは火を見るより明らかであろう。ここまで言えば12話を通して擦られていた 「物体X」が 「周りで誰もやりたがらない仕事」のメタファーであり、「他人がやりたがらないことを積極的にした先に成長と自己実現がある」と無意識のうちに刷り込んでいるということにも気づくことができるだろう。
同じく幾度となく擦られている 「豪運先生」 も、「いくら成功しても、常に運が良かったことを自覚し謙虚であれ」という教訓を視聴者にそれとなく伝えているのではないか。その他にも、直接的な表現を避けながら「怒るのにも体力を使う」「逃げるのは癖になる」「女性を侮ってはいけない」「あと40年」と労働者に向けた叱責とエールが描かれている。

キャラも曲もストーリーもアニメとしては極めて質が低いが、新人研修で新入社員に見せる教習ビデオとして見ると非常に質の高い作品だった。

 

5位:進化の実

その独特のノリとパロディが特徴的な作品で、またそれがウリでもあるため当時から賛否が分かれていたという印象もある作品。
個人的には共感性羞恥系の作品にめっぽう弱いため、これは優勝争いに絡んでくるのではないかと期待して視聴したのだが……。

まず冒頭に書いた独特のノリについて、特に1話と2話では「蜘蛛」の蜘蛛子さんの男版、まさに銀魂男子とも言えるような自己完結的な寒いツッコミが怒涛の如く繰り広げられ、このまま順当にいけば優勝も狙える幸先の良いスタートを切っていた。
しかし3話以降キャラが増えてきてからは独り言が減り、オーバーリアクションが目立つだけで特段飛びぬけた不快さは感じなかった。他審査員からはノリの不快さを指摘する声も多く上がっていたが、個人的にはフラットな視点で見ると今回の他の候補作の主人公たちもこんな感じでオーバーリアクションで突っ込んでいたから変わらない気がする。もっと言えば「イセガル」などと比較すると主人公がそこそこまともな分、何か言っていても受け流すことが出来て苦痛は少なかった。

ストーリーもなんかクラスメイトが沢山出てきてて「蜘蛛」みたいになっていたが、それに触れるという勝負をせずテンプレ話をずっとしていたからまあそうかという感じに収まっていた。クラスメイトの話は「蜘蛛」以上に浅そうで、恐らく2期ではその話に触れそうなオーラを出していたので2期はクラスメイトの話の長さに応じて相当つまらなくなっていると思う。
他方で気になった点では、この作品もヒロインを中心としたキャラの魅力を一切感じなかったことがある。ゴリラであることを活かせとは思わないが (面白くなさそうなので) 、もう少し魅力的に描く術はなかったのだろうか。また、視聴後の感想戦で他の審査員の方々からヒロインがゴリラとかロバとかであることに必然性がない、向き合えていないのではないかという指摘が挙がっていた。しかし個人的には、上述の通りヒロインがゴリラであることとロバであることを掘り下げて面白くなる気がしないので触れなくていいと思った。

 

4位:蜘蛛ですが、なにか?

蜘蛛に転生した「私」(蜘蛛子) のストーリーと、同様に転生した蜘蛛子のクラスメイト達のストーリーとが多層的に繰り広げられる異世界転生アニメ。
途中でこれらのストーリーの時系列が異なることが示唆されたり、その中で「私」が今後死亡している扱いになっていたりと見どころのある設定が徐々に明かされていく。
序盤は蜘蛛子のストーリーが主となっており、蜘蛛子が苦労して生きていく様が描かれていく。蜘蛛子は学生時代家庭にも学校にも居場所がなかったみたいな回想をしているのだが、それにしては異様にメンタルが強く、その癖「転生前も転生後も恵まれていない」という被害者面はずっと繰り返しておりどの層からの共感を得ようとしているのか最後まで理解できなかった。
そもそもこの作品の特徴でもあるが、いわゆる紋切型の「いじめられっ子が転生していじめっ子にやり返す」みたいな陳腐な作りにはなっておらず挑戦的な作風となっている一方で、明確な目標がなく転生によるカタルシスを何から得させようとしてるのかが迷子になっている印象を受けた。まさか蜘蛛が淡々とレベルアップしていくことに共感をしないといけないわけではないよな?と思うが、こういう数字が積みあがっていく系の作品が人気を博していたこともありよくわからなかった。

また、蜘蛛子パートは蜘蛛子さんの異常な自分語りと独り言によって構成されており、これもまた非常に苦痛を伴っている。いわゆる銀魂系女子の独り言を延々と聞かされる光景は、さながら現実でもネット用語でしゃべり続ける厄介人のドキュメンタリー映像であり、最終話付近になっても慣れることはできなかった。

この苦痛で仕方ない蜘蛛子さんパートを緩衝する働きをしていたのがもう一つの軸であるクラスメイトパートで、こちらではクラスメイト達が全員転生してきたことの謎に迫りながらストーリーが進んでいく。しかしアニメ前半ではクラスメイトパートで謎が産まれ、話に興味が湧いてきたところで急に蜘蛛子パートに戻すことで興味を失わせるという斬新な手法が取られていた。12話を過ぎたところでそろそろごまかせないほど謎が溜まってきて面白くなってきそうだな、と思っていたのだが……。

物語の後半では蜘蛛子さんの興味がわかない物語もまだそれなりに放送されるが、徐々にクラスメイトパートの放映が増えてきた。しかしその結果、広げるだけ広げた風呂敷を一切畳むつもりのない冗長な物語が展開されていたことが明らかになった。2クールやってクラスメイト達が特に理由もなく争ってその結果何も起こりませんでした、という投げっぱなしの結末は決定戦参加者の間に衝撃を与え、いったいこの作品は何だったのかという感想戦が小一時間続いた。それに加えてその後毎日のようにTLで果たしてこの作品は何だったのかという議論が起こり続けていたことからも、本作品がこの決定戦に及ぼした影響は大きく、評価したいという気持ちになった。

総じて考えてみると、このアニメは「いじめられっ子が転生していじめっ子にやり返す」みたいなテンプレートに落とし込んでいないところは意欲的な挑戦であるとして評価できると思う。でもその結果、学校に居場所がなかった蜘蛛子さんからいじめられっ子だったソフィアさん、果てはいじめっ子で魔獣に転生してたフェイまで全員異様に強くなっていってそれはどうなの?と思う一方、男たちは全員情けなく描かれていて、ああこれもまた女性向けのアニメなんだなということに気付かされた。先述の通り蜘蛛子が最後までずっと前世も現世も不幸な目に合っているという自分語りを繰り返していたように、悲劇のヒロインぶってるのもかなり女性向けの共感を誘っているようにも見受けられた。

ということで、他の救いようがない作品と比較して、本作では蜘蛛子が成長する様を見て元気づけられる女性、男性が情けなく描かれている様を見て元気づけられる女性というのは存在するんじゃないかと思う。正直内容の出来の稚拙さ、特に期待を裏切る構成と独特なノリには相当目を見張るものがあるのも事実だが、上位の危険な作品と比較するとこの評価に落ち着いた。

内容の話はあまりしてなかったのだが、生徒のこと考えてますアピールに余念がなかった岡ちゃんがユーゴーをステータス奪っただけで放置したのは流石に説得力なさすぎた。何だったんだあれ。

なお、本決定戦を


3位:通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?

思春期の真っ盛りである真人 (主人公?、性欲が強い) が、過保護気味な母親である真々子 (ヒロイン??)と色々あって母親同伴でしか参加できないオンラインゲームに参加させられ、そこで色々な母親と子の形に触れながら冒険をするという話。そのため全体的に本作品のテーマとして「母と子」の関係が描かれている。
本作品最大の問題点はなんといってもこの「母と子」の描写についての説得力のなさであり、全体的に滑り続けている謎のノリや、そもそもヒロインが母親であることによるあまりにも必要のない描写群ですらもはや問題ではないと思っている。
本アニメで登場する、母親と問題を抱えているキャラは「ホスト狂いの母親にホストの源氏名を名付けられた挙句親が離婚している」ワイズと「母親のエゴで常に一番であることを強要され続け時には暴力も振るわれていた」メディの2キャラが中心となっている。一応主人公パーティにいるポータも母親の話を出すと意味ありげな表情を見せるが、今回のアニメの範囲では描かれない。
こういった明らかに問題のある家庭に対して真人は「俺も母親がきついからよく分かるよ」と語りかけ、真々子は「母と子なんだから分かり合える」と主張を続ける。
明らかに程度の違う家庭の事情に物知り顔で同調する主人公の姿はあまりにも不快だし、「親と子は究極的に分かり合える」という主張は2023年にはもう通用しなくなっている理論であり現在放送していたら視聴者を騙すことは出来ないであろう。
そしてこういった問題のある行動は何者かによって授けられた魔法具が原因によって顕現したものということもあり、いつの間にか真々子がやっつけて親子の問題も解決してしまうんだが、「親と子」という難しい問題に向き合っておいてそんなんでいいのか?と思ってしまう。
母と子の描写で好きなシーンは2つ。まず4話のワイズと母親との決着シーンでは、どう考えてもワイズさんが許せる訳が無い状態から主人公らの説得?を受けワイズさんが母親に和解を申し入れるというワイズさんのありえない懐の深さが見られ、前半屈指の盛り上がりポイントとなっている。
そしてメディとメディママとの話が展開する8話でも、真人お得意の俺にはお前の気持ちが分かる説法が繰り広げられるが、ついにメディさん(暴走中) によりお前は幸せだろうというマジレスが行われる。おっ、ついに制作サイドもおかしい事に気付いたかと感心するもつかの間、真人が違う!と一蹴してしまいここまで来ると感動的ですらあった。

というかそもそも前提となっている「母と子の関係」を描くために過保護・ネグレクト・過干渉の3つしか描かれていない陳腐さも問題で、まともなアニメなら1話に1セットの母子を出して問題を解決していくものだろうが、本作品はこの3サンプルで豪華に8話も使用していたのも評価点になる。

なお母と子の関係を描くのに飽きた9話以降、何の目的もない暴走列車がつまらない荒野を爆走していた。つまらなさ過ぎて記憶にないが、なんか母親の存在を消すって言ってた女の行動の動機が全く描かれてなかったし、すべてがわからないまま終わったのも謎だった。

散々書いたが真人というキャラクターの描き方が雑で、特に強くないとか思春期ネタ擦りすぎとかもあるんだが、個人的にはツッコミみたいな立ち位置にいるのが凄い違和感を覚えた点だった。作品内で起きている出来事は基本的に真々子の行動が最も正しい状態で発生しているため、真人視点で正しいことはあまり起こらない。これによって真人は作品内でツッコミのようなものを多々行うことになる。一方で、上記の通りヒロインたちに謎の上から目線で説法を繰り返す姿に代表されるように、真人の視線は我々視聴者の目線とは異なったところに存在する。そのため、真人のツッコミはどの観点からも的外れで誤った指摘となり、虚空に消えていく。これによってテンポが明らかに悪くなっているように感じた。ただでさえ魅力がないのにこの仕打ちはかわいそうだと思う。

最後に擁護しておくと、2019年はまだ異世界アニメのテンプレが確立されていなかったんだなという感じがある中で、それでも何かを描こうとした意欲作であるとは思う。しかし作品の危険性及びまとめ切れていないストーリーを評価してこの順位とした。

1クールではテーマを十分に扱いきれていなかった印象もあり、2クール与えていれば、異世界版 “輪るピングドラム” になり得ていたかもしれない。 


2位:賢者の弟子を名乗る賢者

本作品は、色々あって主人公がVRMMOの世界に元のアバターと異なる性別 (性的嗜好も垣間見える) で転生してしまったというところがオリジナリティの作品である。
本作品を通して個人的に一番評価に値するのは、この性別が変わってしまったという設定に対して作品が一切向き合おうとしていない点である。この性別が変わったという設定が本作品のアイデンティティであるはずなのだが、恐らく主人公が元から女であっても同じストーリーを流してほぼ違和感はないのではないだろうか。「蜘蛛」ではその設定上で起こりそうなストーリーをブレインストーミングしてそのまま素材の味を提供するというある種挑発的な試みがなされていたが、「けんでし」ではブレインストーミングをする必要もなかった。何故か?それは、「元おっさんの幼女がするおしっこ」という概念 が、非常に面白く他の追随を許さなかったからである。
少し前には、「お兄ちゃんはおしまい!(以下「おにまい」という。)」という男がロリになる作品があったが、あちらは途中でお兄ちゃんがロリになった時あるあるが尽きてアニメ6話で普通の凡庸な学園アニメに変貌してしまった。「おにまい」も「けんでし」より放送が後なのにまひろのおしっこが面白いことに気付けなかったことを今頃悔しがっているだろう。

その他にも転生した理由にも一切触れる気配が無いのにもかなり心を動かされた。「ツキミチ」は転生に説明可能な理由をつけさせてしまったし、「リアデイル」はケーナさんが興味を示さなかっただけで転生に隠された謎を提示していた (提示するだけして解決しない手法も十分評価に値するのだが)。本作では幼女に転生したことをさもセンセーショナルであるかのように扱うことで、難しい話題である転生に関する背景的な話から視線を巧みに逸らしている。これにより異世界転生でありながら通常のファンタジーと同質の作品に仕立て上げることに成功している。
そしてなにより、毎話のオムニバス形式の構成も見逃せない。AをするためにBが必要で、BのためにCが必要で、それがあるDの道中でEが起こった、のような多層的な構造が、物語に重厚さを産んでいると言っても良いだろう。毎話変わる目的にほぼ毎話変わるモブ、その色々なモブにまつわる色々な物語が描かれることにより、我々は「けんでし」を見終わった後、アニメを数作見たかのような充実感が得られることに違いない。
総じて、「ツキミチ」が異世界アニメのエッセンスをかき集めた朝食ビュッフェのような作品であったのに対して、「けんでし」は食べ放題、まさに異世界アニメ界のすたみな太郎であったと言うことができるだろう。これまでの異世界アニメ達、特に「リアデイル」と比較してしまうと完全に上回った作品なのではないかと思っている。

 

1位:神達に拾われた男

ブラック企業に勤めていた主人公、リョウマ・タケバヤシが事故に遭って転生した異世界で無双する話。「無双」と書いたが一般的な異世界アニメの無双のイメージとは異なっており、バトルではなく仕事が出来ることで無双していく。最終的にはリョウマ・タケバヤシが運営する洗濯屋の運営が順調すぎることが延々と描かれていく。
序盤はかの有名な「何をしても褒められるなあ (照)」 が飛び出すなど何をやっても褒められるリョウマ・タケバヤシを見て笑うことができ、後半は異世界転生のテンプレである 「その○○はなんだね!?」 がビジネス界に応用されて、福利厚生や週休1日に驚く異世界の人間の様子といった新しいお笑いが描かれている。制作側も半ば自覚的にユーモラスな演出を施していると思われ、その意図が透けて見える点は評価できる。
一方で、作品の風向きが変わったのは5話の最後のことであった。
2話の最後などでリョウマ・タケバヤシが 異世界の人間は素晴らしいなあ と感慨深くなって話が終わるみたいな異世界を称揚する描写が繰り返し挿入されるのだが、5話の最後ではリョウマ・タケバヤシがついに転生前の世界は良くなかった、と現世下げをしれっと始めたのである。5話以降、リョウマ・タケバヤシは 「前世は自分は悪くなかった、環境が悪かった」 と振り返るし、リョウマ・タケバヤシ (転生先) が幼いことを理由に信用を得られていない様子が何度も描写され、視聴者は 「人を見た目で無能と判断してはいけない」 と何度も啓蒙される。ここまで来てこのアニメが一般で評価されている理由が、現状に不満を抱いているが努力をして現状を改善する気のない労働者たちに刺さっているからなのではないか、と気付くことになった。その後もアニメでは 「高いものがおいしいとは限らない」 と高い料理を批判したり、異世界では 「運ではなく実力で勝ち取っている」 と自分に言い聞かせるなど労働者への寄り添いは続く。そういったアニメの思想に共感して、努力を怠って他責志向に陥る視聴者への怒りと無力感に襲われ続けた

総じてギャグ調で描かれている所はまあまあ笑える (裏笑いできる)が、その裏では生産性のない労働者を攻撃的に慰めが行われ続けており、社会福祉的に最も危険である作品であると判断したためこの順位とした。異世界ビジネスっていうジャンルは結構面白そうで、もう少しどうにかできると思うんだけどなあ。

特に最近はこういう特徴の延長線上としていわゆる「追放もの」と呼ばれるジャンルがあり、「本当は有能な自分を追放した、ざまあみろ」みたいな歪んだ他責志向のカタルシスによって日本の国力を削ぐことを目的とした作品が横行しており、「追放王決定戦」としていずれ開催する必要があるのかもしれない。

 

決定戦結果

集計結果と審査員のコメントを紹介する。

 

第3位:神達に拾われた男

「嫌い、存在を許せない。」

「本決定戦で唯一視聴者を堕落させることを目的にしている、その危険性を高く評価したため。」

 

第2位:リアデイルの大地にて

「シナリオ構成の行き当たりばったりさが群を抜いているため。また、作画に比較的恵まれたにもかかわらずキャラの魅力を一切演出できていない点も高評価。」

「物語として破綻しているが、異世界なろうであれば全てが許されていた時代の作品であるため温情をかけた。」

「けんでしと同じくあらゆる面で低品質だが、ケーナさんのキレ芸がつまんなすぎて笑えてしまう部分が隙となり順位を落とした。」

 

第1位:賢者の弟子を名乗る賢者

「あらゆる面で低品質で隙が無いため。」

「シナリオのつまらなさには目を見張るものがある。ただ、シナリオ構成における意図の片鱗が見えた部分を低評価とし、2位にした。」

「ストーリーの構成から内容に至るまで、シンプルに "異世界アニメ" と言われて想像される低品質なものに近い出来であったことを高く評価した。」

「今何のために行動してるのかわからなくなる回りくどいストーリー構成と、1クールかけて結局最初と状況が変わっていないこと、美少女化ネタのつまらなさ等、評価点は多いが、不快感は1位2位と比べて劣ること、NPCクレオスやマリアナとの向き合い方の変化を描きたかったのだと思えば悪くないような気もしたので、3位とした。」

 

総評

優勝は多くの人から票を集めたけんでし。おめでとう!

他責思考はよくないから異世界アニメから前向きな力だけを貰おう!

それでは次回、宇崎王決定戦クラス転生王決定戦で会いましょう。